イブキの短編小説

1000字短編集・素朴な暮らしの欠片を拾う

2021-10-14から1日間の記事一覧

文字のないもの【短編】

家からその「日向公園」まで行くには徒歩三十分を要するのだけれど、それがまた日が陰り涼しくなった休日の夕方に丁度良い運動になっている。公園というが、広大な敷地に遊具は一つとなく、花畑と桜木が並ぶ野原、それらを繋ぐアスファルトの道があるばかり…