イブキの短編小説

1000字短編集・素朴な暮らしの欠片を拾う

2021-08-14から1日間の記事一覧

撮像素子【短編】

最後にこの部屋に陽光が満ちたのを見たのはいつだったか。 残業を終えて帰宅した午後9時、窓から侵入してカーテンを通り抜けた弱弱しい街灯の明かりが家具達の輪郭を浮かび上がらせていた。 そのまま部屋は電気を点けずに小さな二人掛けソファに沈み込むと、…