イブキの短編小説

1000字短編集・素朴な暮らしの欠片を拾う

2021-07-19から1日間の記事一覧

教えてくれない少年【短編】

ポタ、ポタ、とポニーテイルに結った髪の束から滴る水滴はゆっくりと背中を冷やしていく。 前から六列目、一番後ろの席に座っている私の視界に映るのは、首から上をパタリと折った5つの背中だった。 先生は、板書を終える度におやじギャグを言って、目の前…