イブキの短編小説

1000字短編集・素朴な暮らしの欠片を拾う

2021-12-02から1日間の記事一覧

利己的久しぶり【短編】

もう少しメニューを吟味したかったが、俺の後ろに列が出来始めたので勢いでA定食を選んでしまった。食券を受け取った食堂のおばちゃんは慣れた動きで素早く米を盛り、みそ汁を注ぐ。その身のこなしに感心しながら茶碗をお盆に乗せようと手を伸ばすと、手のひ…